feminism

現代人が「愛」を性の束縛のための道具として使用していることは、フェミニズム論のもとでは、自明の理として語られるようになっている。しかし、「愛」に仕掛けられた罠を見破ったからといって、そこから逃れられるわけではない。(坂東真砂子





フェミニズムも時流に弱いのです。(小倉千加子)
なぜならフェミニストは夫に対し「おまえは私の敵だ」と言わずにはすまなくなるからです。この自己矛盾を回避するために、いつもフェミニズムは、現実路線――改良主義――に逃げこんできました。かつて結婚と性関係を改善せよと叫んでいたフェミニストたちも、 冷静な 現実認識に立って、婦人参政権獲得運動に転向しましたし、現代のフェミニストも自分たちが男性の既得権益を脅かしている思われるのが怖さに、せいいっぱい女らしく着飾って「女の解放は男の解放」と穏やかに訴えています。