障害児の親が過保護になる要因としては、「かわいい」という気持ちよりも、「かわいそう」という気持ちの方が強いように思う。親が子どものことを「かわいそう」と思ってしまえば、子どもはそのことを敏感に感じ取るだろう。そして、「自分は、やっぱりかわいそうな人間なんだ。障害者は、やっぱりかわいそうなんだ」と、後ろ向きの人生を歩みかねない。

(五体不満足/乙武洋匡 1998)