読書メモ

 しかし、胎児期の研究が進むと、この区別もあいまいになってきまし
た。昔なら、六ケ月の胎児は、母体を離れて生きることができませんで
した。早産の場合、先天的な原因による死亡と考えられたのです。しか
し、今日、生きられる胎児は増えました。先天的という言葉だけで、六
ケ月の胎児の死を語ることができなくなりました。

(こども、こころ学/石川憲彦さん 一九九六年 春)