直したがる神々


 しかもあるがままの身体性は、自然神によってさえ否定されてきたことは想起されるべきである。本書では、この側面を特に強くは紹介しなかったが、各章の端々にこの点については記したつもりである。自然神も、直そうとしてきたのである。
 直る希望は、こういったすべての神々の死の先に見えてくる。
(第六章 直りへの希望)


治療という幻想/石川憲彦 1988